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「選手と酒席」の禁を破る、40歳、佐々木基樹の復帰。~なぜ人は「ボクシング中毒」にかかるのか~ 

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前田衷

前田衷Makoto Maeda

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photograph byBOXING BEAT

posted2016/02/29 06:00

「選手と酒席」の禁を破る、40歳、佐々木基樹の復帰。~なぜ人は「ボクシング中毒」にかかるのか~<Number Web> photograph by BOXING BEAT

佐々木(右)は老獪なペース配分で相手を翻弄し、復帰戦を6回2分31秒KO勝利で飾る。

 昔、先輩の評論家から忠告された。

「現役ボクサーと酒を飲むのはやめておけ。付き合うのは引退してからにしろ」と。もしその選手が負けたりすると、ジムから「うちの選手をつぶされた」とあらぬ責任を追及されるというのである。また、ボクサーには好漢が多く、付き合ってしまうとつい筆先が鈍り、評論しづらくなるからともいうのである。

 この忠告を戒めとし長年守ってきたつもりでいたが、今回図らずもそれを破るハメになった。私のせいではない。

 引退した元チャンピオンに、慰労も兼ねて酒席を用意したことがあった。彼は終電を逸するほど飲み、酩酊していた。それが、あろうことか、今になってその男が再びリングに立っていたのである。

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