本継!SPORTS BOOKリレーBACK NUMBER

『水を打つ(上)(下)堂場瞬一スポーツ小説コレクション』個性派スイマーたちが挑む、奥深いメドレーリレーの世界。 

text by

大崎梢

大崎梢Kozue Osaki

PROFILE

photograph bySports Graphic Number

posted2018/08/01 16:00

『水を打つ(上)(下)堂場瞬一スポーツ小説コレクション』個性派スイマーたちが挑む、奥深いメドレーリレーの世界。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

『水を打つ(上)(下)堂場瞬一スポーツ小説コレクション』堂場瞬一著 実業之日本社文庫 各648円+税

 競泳は個人競技だ。泳法を選び、距離ごとに設けられたレースにエントリーが許されれば、あとはロープに区切られたコース内を泳ぐだけ。一番早いタイムを出した者が一位に輝く。究極の、我が道を行くスポーツではないだろうか。

 そう思っていたのだが、チームワークを求められる種目もあった。メドレーリレーだ。本書はこのレースを縦糸に、物語がぐいぐい進む。日頃、独立独歩の選手たちがどう立ち向かうのか。果たして協調性はあるのか。ないのか。


 好奇心いっぱいで読み進めれば、期待通りに個性派が顔を揃える。日本記録保持者であるが、世界記録に遅れを取っている自由形選手。ボディビルダーのように、鍛え抜かれた肉体を誇る背泳ぎ選手。勝ち負けにはこだわるが基本的にクールな理論派のバタフライ選手。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 585文字

NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

#大崎梢
#堂場瞬一

水泳の前後の記事

ページトップ