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<弟弟子が見た“長兄”>
高安「恩返しは優勝報告で」
posted2019/02/19 15:00
text by
佐藤祥子Shoko Sato
photograph by
Atsushi Hashimoto
15歳で入門してから13年間――。
雲の上の存在だった兄弟子の背中を追い、その土俵人生を間近で見続けてきた。
弟弟子が、偉大なる“兄”の素顔を語る。
雲の上の存在だった兄弟子の背中を追い、その土俵人生を間近で見続けてきた。
弟弟子が、偉大なる“兄”の素顔を語る。
「土俵人生において、一片の悔いもございません」
引退会見で真っ直ぐ前を見据え、大粒の涙を流しながらの、稀勢の里の言葉だ。それは、人気漫画『北斗の拳』の主人公・ケンシロウの兄、孤独に生きるラオウの名台詞を意識したものだった。まさにラオウの如く孤高に戦い続けた兄弟子の姿を、傍らで仰ぎ見ていた高安はいう。
「あの涙、かっこいいじゃないですか。それだけ真剣に全力で走り続けてきたということ。そうじゃないと泣けないですよ」