1000を超えた寄せ書き。

　さらに、2日間の大会期間中には、入り口から入ったエリアには寄せ書きのための白布が用意された。そこには出場した選手や観客らがメッセージを記した。

「伝わるといいな」

「きっと伝わるよ」

　そんな親子のやりとりもあったし、「がんばれー」と口にしながら書き込む人の姿もあった。その数は1000を超えたという。

　出場した選手の言葉や寄せ書きに共通してあったのは、池江を思いやる心情だった。感じさせたのは、競泳に携わる人々の結束する力だった。

　池江が出場しなかった大会は、あらためて池江の存在感を示す場であるとともに、池江に対するまなざしのあたたかさと思いが1つになった、そんな時間と空間でもあった。

　白布6枚におよんだ寄せ書きは、池江に届けられるという。