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ここ10年、年度代表馬の半分が牝馬。
アーモンドアイたちはなぜ現れたか。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byKeiji Ishikawa

posted2019/02/09 10:00

ここ10年、年度代表馬の半分が牝馬。アーモンドアイたちはなぜ現れたか。<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

まぎれもなく「現役最強馬」であるアーモンドアイ。凱旋門賞でエネイブルとの対決が実現したら……。

アーモンドアイとエネイブルの対決は?

 世界中のすべてのサラブレッドの父系を辿ると、300年ほど前に生きたダーレーアラビアン、ゴドルフィンアラビアン、バイアリータークの「3大始祖」に行き着く。

 元は1本の親木で、その挿し木などで日本中に増えたソメイヨシノに似ている。どれかが病気になると、ほかのソメイヨシノもみな一斉に同じ病気にかかるように、元が同じであるがゆえの「共時性」がサラブレッドにも生じるのだろうか。

 ともあれ、今年も「化け物」と言うしかない強い牝馬が日本にも海外にもいるという「共時性」は生きている。

 エネイブルが史上初の3連覇を狙う凱旋門賞に、1歳下のアーモンドアイ陣営も出走を表明している。

 エネイブルは、英米愛に拠点を持つオーナーブリーダーのジュドモントファームの生産馬である。怪物フランケルもそうだし、ノーザンファーム生産のディープインパクトが3位入線後失格となった2006年の凱旋門賞を勝ったレイルリンクも同牧場の生産馬だ。

 10月6日の凱旋門賞までまだ8カ月ほどもあるが、「化け物」と言うべき名牝を生み、育て、その牝系を大切にしていく「ブリーダー対決」という意味でも注目したい。

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