サムライブルーの原材料BACK NUMBER
栗原勇蔵「失恋じゃないんだけど」
中澤佑二が抜けたマリノスを守る男。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/02/07 11:30
中澤佑二と栗原勇蔵、マリノスの守備陣には彼らの魂がこもっている。
センターバックの4番手から再始動。
もうひと花――。
センターバックではドゥシャン、チアゴ・マルチンス、畠中槙之輔に続いて4番手だと自覚している。しかし現状を受け入れているわけではない。井原正巳、小村徳男、松田、中澤ら脈々と受け継がれてきた堅守の継承者として、「ハマのセンターバックとは何か」をプレーで示していく責任も感じている。
「ドゥシャン、チアゴ、槙もみんな力がある。みんなとの競争のなかで、チャンスをつかまなきゃいけない。出たときにはしっかりとしたパフォーマンスを出さなきゃいけない。その準備を、俺はやっていくだけ」
ボンバーはいない、されどユーゾーはいる。
ハイラインのスタイルにボンバーが適合して、ユーゾーが適合できないことはない。伝統と革新のミックスを、ユーゾーだから表現できるものがきっとあるはず。
ボンバーに対する思い、感謝。そしてボンバーの思いも背負って。
雨を降らした石垣の曇天に、目を泳がすことをやめた。
雨過天晴。
ユーゾーに、センチメンタルは似合わない。