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あのエリック・マッカーサーの娘!
バスケ日本代表のマヤが日米で成長中。
posted2019/01/24 07:30
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Yoko Miyaji
父親譲りの笑顔が印象的な高校生選手──それが、第一印象だった。
現在、カリフォルニアのダナ・ヒルズ高校シニア(日本の高校3年)のマヤ・ソフィア・マッカーサーは、日米両国籍を持ち、2017年夏からは日本代表の一員としてアンダー世代の国際大会に出場している17歳。
父は、かつて日本鋼管、大和証券、ボッシュ、アイシンでプレーしていたエリック・マッカーサー。エリックも日本国籍を取り、日本代表としてアジア大会に出場したことがある。リバウンド力があり、笑顔に求心力がある選手だった。引退後はカリフォルニアに戻り、会社員として働いている。
マヤも、試合中にうまくいっているときも、そうでないときでも、笑顔でまわりを明るくする。
ダナ・ヒルズ高校のアン・ホネーヘッドコーチは、彼女には笑顔を見せ、ポジティブなエナジーでチームメイトを引っ張る力があると称賛する。
父とは「走り方が自分と似ている」。
マヤは3人兄弟の末っ子。父が現役だったときに生まれているが、小さいときは、体育館は兄や姉と走り回る運動場のような場所で、父のプレー姿はまったく覚えていないという。
「(父の試合の映像は)ガレージの中のVHSテープにたくさんあって、見たいけれど、(VHSのプレーヤーがなくて)見られない」と言う。
最近、母がインターネットで当時の試合を1試合だけみつけてきたので、家族で観戦したという。そこで発見したのは、「走り方が自分と似ている」ということだったという。
兄と姉も一時はバスケットボールをやっていたが、その後他競技に転向し、最後までバスケットボールをやっているのがマヤだ。
「子供のころから彼女が兄弟の中で一番シュートがうまかった。そこは僕に似ないでくれてよかった」と、父エリックは苦笑する。
バスケットボールを教えたことはほとんどなかったというが、自分が得意としたリバウンドだけは別だった。流行りの片手でのリバウンドではなく、ボールをしっかりキープできて、着地のときに怪我をしにくい両手で取ることを教えこんだ。ふだんは優しい父も、それだけは厳しく教えこんだという。
「リバウンドを教えてもらった覚えはけっこうある」とマヤ。
「けっこう怒られた。試合中、片手で取りたいし、そのほうが遠くても取れるんだけれど、両手で取らないと強くできないからってよく言われていた。今も、たまに言われる(笑)」