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千葉ジェッツ、バスケ天皇杯3連覇。
悲願の2冠へ必要なのは挑戦者の心。 

text by

吉川哲彦

吉川哲彦Akihiko Yoshikawa

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2019/01/22 07:00

千葉ジェッツ、バスケ天皇杯3連覇。悲願の2冠へ必要なのは挑戦者の心。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

終了間際の3ポイントシュートでチームを劇的な勝利に導いた富樫勇樹は大会MVPにも選出された。

なぜ千葉は天皇杯で強いのか。

 3連覇を期待する声が集まることは、プレッシャーを感じやすい状況に追い込まれるということでもある。はたして千葉はどのような精神状態でこの天皇杯を迎えたのか。

 川崎との激戦を制した準々決勝の試合後、キャプテンの小野龍猛はこう語っている。

「3連覇を皆さんが期待してくれるのは逆にありがたいですし、僕たちは常にチャレンジャーだと思っている。この天皇杯もチャレンジャーとして臨んでいるので、気負いもプレッシャーも特に感じたことはないです」

 王者として受けて立つのではなく、あくまでも自分たちはチャレンジャーだという小野。

 一発勝負の天皇杯に強い自チームについて「たぶんそういう印象は強いですよね」と認めつつ、「リーグ戦と天皇杯は別物だと考えています。全然違いますね」とも語る。

 一方で、その小野が説明する“天皇杯に強い理由”はリーグ戦でも千葉が特に強く意識している部分であり、「別物」のはずの天皇杯でも普段通りの戦い方ができているということを意味するものだった。

相手どうこうではなく。

「しっかり対策を練って、それを遂行できている。そこにどれだけフォーカスできるかだと思います。難しいですけどね、決勝だったりこういう一発勝負の戦い方は……でもやっぱり試合の入り方なんだと思います。過去の2回の優勝もすべての試合で入り方がすごく良かった。それが自分たちの良いところなんじゃないかと思いますね。相手どうこうではなく、自分たちのバスケットをしないと勝てない」

 普段通りの戦い方という点では、準決勝でA東京を破った後の記者会見に出席した富樫も「最後の5分はそれまで追いかけて逆転した相手のほうに勢いがあったと思うんですが、リーグ戦でやってきたことを忘れずに、全員が諦めず戦い続けたのがこの結果につながったと思う」と話す。

 周囲の声に惑わされることなく平常心で試合に臨むという、そのメンタリティーの部分で千葉は他チームに対してアドバンテージを持っているということなのだろう。

【次ページ】 リベンジの意識が原動力。

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