“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
高校時代の中島翔哉にそっくりな、
横浜FCユース斉藤光毅という逸材。
posted2019/01/01 08:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
彼を観る度に、高校時代の中島翔哉を思い起こさせる。
横浜FCユースの“最高傑作”との呼び声が高いFW斉藤光毅は、卓越した個人技とアジリティーを兼ね揃え、シュートセンスも抜群で、常にゴールを目指してプレーし続けられる選手だ。
彼が中島を彷彿させるのは、技術的なものやプレースタイルだけでない。“根っからのサッカー小僧”という面でもそっくりなのだ。
12月24日。世間はクリスマスイブを迎えている時に、斉藤は群馬県の前橋総合運動公園陸上競技・サッカー場のピッチにいた。
プリンスリーグ関東参入決定戦・横浜FCユースvs.明秀日立の一戦である。
この試合は関東の各都県リーグを戦い、それぞれのリーグ1位のチームが2つにわかれて、トーナメント戦を実施。そこで2勝して1位になったチームが翌年のプリンスリーグ関東に昇格できるシステムだ。
ブラジル遠征直後でも元気。
勝てばプリンス関東、負けたら県リーグに逆戻り。この重要な一戦のピッチに立った斉藤だが、その前日にブラジルから帰国したばかりだった。来年のU-20W杯(ポーランド)を目指したU-19日本代表のブラジル遠征に参加し、現地でU-19ブラジル代表に勝利するなど、貴重な経験を積んでいた。
横浜FCユース・小野信義監督はこう語る。
「昨日の夜6時に成田空港に着いて、僕に会うなり“俺、90分行けますよ!”と言ってきた。僕はまだ何も言っていないのに(笑)。その辺から駆け引きが始まっていて“飛行機でほとんど寝ませんでした”と。帰って来てご飯食べてすぐ寝て、今日の朝もトレーナーと軽いランニングを入れて、その後“もう全然問題ないです!”と言ってきた。勝つための確率を高めるための1つが彼のスタート起用でした」