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谷口徹50歳、口もプレーも衰えず。
世代交代が進むゴルフ界に待った! 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byYoichi Katsuragawa

posted2018/12/05 07:00

谷口徹50歳、口もプレーも衰えず。世代交代が進むゴルフ界に待った!<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

ツアー20勝の実績とともに歯に衣着せぬ言動がトレードマークの谷口徹。人間味あふれるゴルファーだ。

1cm、1%でもアップしないと。

 チャンスを必ずものにする、勝負強さを身につけてほしいと願う。

「今年勝った選手はもっと上を目指さないと。今のままだったらすぐ落ちていく。マグレの一勝じゃダメです。次の年に必ず1cmでも、1%でもアップできるようにしないと、日々ちょっとずつアップすれば1年間で大きなアップになる」

 主力選手が入れ替わる冬の季節。今年はツアー8勝の手嶋多一が、現役最長の22年連続で確保していた賞金シードを手放した。来年、彼を引き継ぐ形で22年続けての賞金シード選手としてシーズンを戦うのは、谷口、藤田寛之、片山晋呉という歴代の賞金王たちだ。

 同じく50歳となった手嶋は今年の最終戦となったカシオワールドオープンで、こんなことを言っていた。

「年を取るとピンばかりを狙いたくなる。若い方がガツガツ行きそうですけど、罠にはまることが多くなった。遠回りしてでもパーを獲るゴルフをしていかないといけないかな」

難しいホールほど攻撃的にいく。

 だが、これに異を唱えるのも谷口である。

「逆にピンを狙う気持ちがなくなったらダメじゃないかなと思う。ピンを避けて(安全に攻めれば)、予選は通るかもしれないけれど、優勝するには人が逃げるところをあえて攻めてバーディを獲るのも大事なこと。

 僕は今まで、難しいホールの時ほど頑張らないといけない、逆にバーディを獲りたいと思ってやってきた。もちろん調子と相談しながらになるけれど、そういう時は攻撃的にいく。守っていては勝てないから」

 シードの連続記録については、さしたる興味がない。

「過ぎたことやから。僕はそんなに。数字はあくまで数字やから。それを求めてやっているわけじゃない。あくまで積み重ね」

 四半世紀にも及ぶ時間は、いつも優勝だけを狙ってきたことが矜持だ。

【次ページ】 飛ばない若手に辛口コメント。

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