ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
谷口徹50歳、口もプレーも衰えず。
世代交代が進むゴルフ界に待った!
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byYoichi Katsuragawa
posted2018/12/05 07:00
ツアー20勝の実績とともに歯に衣着せぬ言動がトレードマークの谷口徹。人間味あふれるゴルファーだ。
何かが凄くうまいヤツが……。
今平には近年、ツアー会場でショートゲームを熱心に教えてきた。親と子ほどの年の離れた後輩たちの活躍を喜んではいるが、物足りなさを感じているのも事実。「ちょっとはマシになったぐらいじゃないですか。まだ、全然アカンと思います」とハッキリ言った。
「今の選手は飛距離も出るからそんなに下手ではない。けれど……」と首をひねる。
「一緒に回って『パターがムチャクチャうまいな』、『メチャクチャ、チップが、バンカーがうまいな』というのがいない。やっぱり人より抜き出たものがないといけない。すべて(の技術の高さが)同じレベルでは、同じレベルにしか行かないんですよ」
こう嘆くのだ。
毎年春先に行う合宿には積極的に若手を誘って一緒に汗を流す。基本的には優しくない。厳しい言葉をぶつけながら熟練の技を披露する。そうして彼らを見ているうちに、感じることがある。
「練習の時にね、真剣にやっていないとダメです。ショットを曲げても、その後に試合と同じくらいの気持ちで打てないと、試合ではうまくいかない。自分でイメージを作らないと」
「周吾もデータは良いけど」
いくら若くとも、ただ数を打てばいいという時期は過ぎている選手が多い。限られた練習時間の使い方が、緊張感のあるゲームでの一打に反映される。
「結局、(それぞれが)自覚をしてやらないといけない。目的意識が低い。『そのうちできるだろう』と思っても、その時間はやってこない」
今平はしっかりと結果を残した。だからこそ強く伝えたい。
「結局最後はパットが効いてくる。周吾もデータは良い(平均パットは今季全体1位)けれど、(年間1回しか)勝っていないというのは、そういうところ。そこを突き詰めていかないと。今平周吾と回ったら勝てないな、イヤだな、という風にはならない」