ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
谷口徹50歳、口もプレーも衰えず。
世代交代が進むゴルフ界に待った!
posted2018/12/05 07:00
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph by
Yoichi Katsuragawa
「最近の若いモンは……」なんてフレーズは、思っていても簡単には口にできない。
偉そうだと陰口を叩かれたくないし、言葉にした瞬間になんだか老け込みそうでもある。ホントはそんなことを心配している時点で、すっかり若くないことを認めているのだけど。
2018年の日本男子ツアーは、若いモンがとにかく頑張った。
重永亜斗夢や秋吉翔太、星野陸也ら20代の選手がシーズンを通して次々と優勝を飾った。その数、実に10人(大会優勝当時)。そのうち7人が初勝利だった。36歳の市原弘大、34歳・額賀辰徳ら中堅プロが手にした待望の初タイトルも、年下の選手たちの勢いがあってこそ、苦労話が引き立つものになった。
今平周吾は、その潮流の源泉といえる存在だった。
昨年初優勝を飾り、プロ8年目の今季は10月のブリヂストンオープンの1勝にとどまったが、9試合でトップ5入り。165cmと上背はなくとも、穴の少ないオールラウンダーである。26歳2カ月での賞金王戴冠は、石川遼(18歳)、松山英樹(21歳)に次ぐ日本人選手としてはツアー史上3番目の年少記録。しっかり世代交代が進んだようでもある。
若手に忠告する谷口徹、50歳。
ただし、これに“待った”をかける人、臆することなく「最近の若いモン」に忠告するベテランがいる。
谷口徹、50歳。
今年シニアツアー入りした一方で、5月の日本プロ選手権で6年ぶりとなるレギュラーツアー通算20勝目を挙げた。今季優勝者の平均年齢を上げた張本人である。
谷口がプロ入りしたのは1992年。ちょうど今平が生まれた年にあたる。
現在のベテランが初めて賞金シードを獲得したのは29歳の時だった。今年活躍した若者に比べればやや遅咲きではあるが、2002、'07年に賞金王に輝いた。そして今も、いや、50歳である今だからこそ、存在感が光る。