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プロになって4年の鈴木明子が語る。
「今もフィギュアスケートに片思い中です」 

text by

林田順子

林田順子Junko Hayashida

PROFILE

photograph byKiichi Matsumoto

posted2018/12/04 10:30

プロになって4年の鈴木明子が語る。「今もフィギュアスケートに片思い中です」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

プロになって変わった向き合い方。

 現役を引退してプロになってからは、フィギュアスケートとの向き合い方は変わりました。アイスショー以外のお仕事もあるので、毎日練習することはなかなか難しい。引退したての頃は、練習が2日空くと身体が動きにくくて不安になったりしましたけど、4年経ってようやく、何から練習すればいいのか、どれぐらいアップすればいいのか、こういう風に戻していけばいいんだというペースが分かってきました。焦ることなくきちんと積み重ねていくことの大切さが分かるまでに、かなり時間がかかりましたね。

 選手のときは常に上を上をともがいてましたが、プロはコンディションをきちんと整えて、お客様に見ていただくことが大切。とはいえ、技術力を“保とう”と思うと、人間どんどん落ちてきちゃうのかなと思うので、ここでいいとは思わず、常に上は目指すけれど、選手のときほど無茶はしないというバランスを心がけています。

 現役時代は本当にいっぱいいっぱいで。選手のときにこれぐらい心のゆとりがあれば、もっと伸びたかもしれないって思っています(笑)。

フィギュアにずっと片思い。

 もう27年氷の上に立ち続けているのですが、それでもまだ好きなんですよね。悩んでいても怒っているときでも氷の上に立つと、すっと自分に戻れる。それに、どれだけやっても、何かしらの可能性がまだあるような気がして、突き詰めたくなっちゃうんです(笑)。

 結局私は、ずっとフィギュアスケートに片思いしているようなもの。頑張って頑張って、振り向いてくれていい演技ができるときもあるけれど、ケガをしたり、摂食障害になったりして、こんなに好きなのに、なぜ実らないのだろうということもある。苦しい、続けられないかも、と思っているのに、結局は好きが上回ってしまうから諦めきれない。結構しつこいんですよ、私(笑)。

 だからこれからも、どんな形でもリンクの上に立ち続けていると思います。

鈴木明子

鈴木 明子Akiko Suzuki

1985年3月28日、愛知県生まれ。6歳からフィギュアスケートを始め、15歳で全日本選手権4位となり注目を集める。10代後半は体調を崩し大会に出られない時期もあったが、2004年に復帰を果たす。2012年世界選手権で銅メダル、2013年全日本選手権で初優勝。冬季オリンピックには2010年バンクーバー、2014年ソチに出場し、2大会連続で8位入賞。2014年世界選手権を最後に現役を引退。現在はプロスケーターとして活躍中。

毎回1名のゲストの「生き方」「人間性」にフォーカスし、そこにある「美しさ」をあぶり出すBS朝日の番組。ビジュアルだけではなく、精神的、健康的など様々な角度から“肉体に宿る美”を探ります。スポーツ総合誌「Number」も企画協力。

MC:浅尾美和

第32回:鈴木明子(フィギュアスケート)

12月7日(金) 22:00~22:24

フィギュアスケート選手として冬季五輪2大会連続入賞の鈴木明子さん。現役時代、摂食障害に苦しんだ時に彼女を支えたものとは何だったのか? 実体験を通して、今、辛い思いをしている人たちにメッセージを送ります。

第33回:畠山愛理(新体操)

12月14日(金) 22:00~22:24

元体操選手の畠山愛理さんは中学3年生の時に日本代表に選ばれ、その後はキャプテンも務めました。団体で2大会連続入賞を果たした2016年のリオ五輪を最後に、22歳で現役を引退。第2の人生を歩み始めて2年。今の彼女に迫ります。

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