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アーモンドアイの敗北は考えづらい。
ジャパンカップで現役最強を証明へ。
posted2018/11/24 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
綺麗な目をした天才少女にとって、ここが歴史的名馬への第一歩となるか。
今週末の第38回ジャパンカップ(11月25日、東京芝2400m、3歳以上GI)では、牝馬三冠を圧勝したアーモンドアイ(牝3歳、父ロードカナロア、美浦・国枝栄厩舎)が1番人気になりそうだ。
古馬とは初対決になるのだが、天皇賞・秋を勝ったレイデオロ、アーモンドアイと同い年のワグネリアンという2頭のダービー馬や、宝塚記念を勝ったミッキーロケットなどが出ないこともあって、単勝1倍台の圧倒的な支持を得るかもしれない。
ジェンティルドンナとの比較。
これまでの37回で、ジャパンカップに出走した3歳牝馬は32頭。そのなかにはアーモンドアイの母フサイチパンドラ(2006年8番人気5着)も含まれているのだが、勝ったのは12年のジェンティルドンナただ1頭。
ジェンティルドンナは史上4頭目の三冠牝馬で、凱旋門賞で勝ったと思われた2着に惜敗したオルフェーヴルを競り落としての勝利だった。
ここと同じ東京芝2400mのオークスで、ジェンティルドンナは2分23秒6のレースレコードで2着を5馬身突き放した。一方のアーモンドアイは2分23秒8というレース史上2番目、つまりジェンティルドンナに次ぐタイムで2馬身差の勝利。
オークスを2分23秒台で走り切ったのはこの2頭だけという高いレベルの比較となるわけだが、時計では先輩三冠牝馬に軍配が上がる。が、上がり3ハロンはジェンティルドンナが34秒2だったのに対し、アーモンドアイは33秒2。しかも、ジェンティルドンナは単勝5.6倍の3番人気という気楽な立場だったのに対し、アーモンドアイは単勝1.7倍の圧倒的な1番人気でマークされながらの完勝だった。
どちらも5頭しかいない三冠牝馬のうちの2頭なのだから、突出したものを持っていて当然だ。しかしひとつ確かなのは、三冠を終えた時点で、古馬の牡馬を含めて現役最強という評価を、関係者やファンから得ていたのはアーモンドアイだけ、ということだ。三冠牝馬以外でも、例えばダービーを圧勝したウオッカや、そのウオッカに勝ち越したダイワスカーレットでさえ、これほど高い評価を得てはいなかった。