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GIの登竜門、東スポ杯2歳Sを制した
ニシノデイジーとオーナーの執念。
posted2018/11/22 16:30
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
11月17日、東京競馬場で東京スポーツ杯2歳S(GIII)が行われ、ニシノデイジー(牡、美浦・高木登厩舎)が優勝した。
翌日に行われたGI・マイルチャンピオンシップの陰に隠れた感のあるこのレースだが、最近では後のダービー馬・ワグネリアン(2017年)、皐月賞勝ちのイスラボニータ(2013年)、これまたダービー馬のディープブリランテ(2011年)など、翌年のクラシックに直結する勝ち馬を輩出。
他にもローズキングダム、サダムパテック、サトノクラウンら後のGIホースが次々と優勝している重要なレースである。
東京競馬場の芝1800m。スタート直後には向こう正面の長い直線があり、1ターンしただけで最後にまた東京の長い直線が待ち受ける。この2歳馬には厳しい条件がレースの舞台で、それだけに好走馬の中から後のGIで勝ち負けできる馬が出てくるのも頷ける。
1番人気ルヴォルグは出遅れ。
今年、1番人気に支持されたのはルヴォルグ。名門・藤沢和雄厩舎でディープインパクト産駒のこの牡馬は、10月28日に全く同じ舞台の新馬戦を快勝。C・ルメール騎手を背にほとんど追われるところなく、2着に4馬身の差をつけての勝利だった。今回は乗り替わりとなったが、新しいコンビを組んだのがこれまた世界的な名手ライアン・ムーア騎手だったのだから、1番人気も頷ける。
もっとも、新馬戦の際の勝ち時計1分49秒5は破格というわけではなく、全く不安がないわけではなかった。単勝2.5倍はもしかしたら多少過剰人気かとも思えたが、ゲートが開くと別の問題が待っていた。スタートで大きく出遅れてしまったのだ。
2歳でキャリア僅か1戦の馬がこうなると、さすがに厳しいと言わざるをえない。結果は残念ながら9着。人気を裏切る形になってしまった。