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梶山陽平、新潟での4カ月と引退。
安田理大「俺らの10番はカジくん」
posted2018/11/16 17:00
text by
大中祐二Yuji Onaka
photograph by
J.LEAGUE
「もういいじゃん、膝が壊れたって。やれるところだけでいいからさ。一緒にサッカーをやろうよ」
J2アルビレックス新潟の片渕浩一郎監督が、この2カ月、リハビリに終始していた梶山陽平を練習場に引っ張り出してきたのは、先週のことだ。そして今、ホームのビッグスワンで行われる最終節・レノファ山口FC戦に向けてトレーニングするチームに、その姿がある。
「フチさんも少しふざけるような、軽い感じで言ってくれて。もうプレーする気はなかったし、やれるかどうか不安もあったんですけど、最後、頑張ろうかな、という気持ちになりました。ありがたいっす」
そう話す梶山は、照れくさそうで、嬉しそうだった。
青と赤の10番として、北京オリンピックを戦うU-23日本代表の10番として。抜群の存在感を放ってきたMFが現役を引退する。選手としての終えんは、イレギュラーなものに映る。
J3降格危機にある中で。
7月、J1のFC東京から期限付き移籍で新潟に加入した。「試合でプレーしたい」という理由が梶山にはあり、梶山と入れ替わるようにキャプテンの磯村亮太がV・ファーレン長崎に移籍した新潟には、手薄なボランチを補強したいという理由があった。
梶山が加入した当時、新潟は混迷を極めていた。J1から降格し、15年ぶりにJ2で戦う今シーズン。新たに迎えた鈴木政一監督の下、1年でのJ1復帰を目指してスタートしたもののチームは低迷を続け、夏が訪れるころには昇格どころか、J3降格の危機が芽生え始めていた。
梶山がベンチ入りするようになって3試合目。かつて、期限付き移籍でプレーした大分トリニータとのアウェイゲームに0-4で惨敗した第27節の後、鈴木監督は契約解除となった。チームは今季2度目の3連敗で、代わって暫定的に指揮を執るようになったのが、当時ヘッドコーチの片渕監督である。