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谷原秀人、欧州ツアーでの日常。
「靴下とパンツを毎日洗ってる」

posted2018/11/08 07:00

 
谷原秀人、欧州ツアーでの日常。「靴下とパンツを毎日洗ってる」<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

笑顔でクラブをチェックする谷原秀人。海外転戦の難しさはこんなところにもある。

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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Yoichi Katsuragawa

 ゴルフクラブの手で握る部分、いわゆる“グリップ”は消耗品だ。

 ゴムや樹脂を素材にするグリップは、時間の経過とともに摩耗し、プロゴルファーなら数カ月に1回のペースで新しいものに入れ替える。それぞれのスイングや感覚にフィットさせるべく、形状や太さが違ったり、入れ方(装着のさせ方)にこだわりがあったりと様々だ。

 素人でも交換が可能だが、意外と手間と時間がかかる。古いものにカッターで切り込みを入れて外し、シャフトについている両面テープを交換して新しいものを装着。その際に限りなく「真っすぐ」にしなければ、実際に打つ時に気になって仕方がない。

 だから、たくさんのアマチュアも町場のゴルフショップでお願いする。

自らネットショッピングで。

 ほとんどのプロゴルファーは、この作業を各メーカーの用具担当者にお任せするのだが、谷原秀人はこの秋、宿舎でひとり格闘していた。最近はパター用のグリップに多くの種類があり、合うものを選ぶだけで一苦労。「コレ、イイかも」と取り寄せた10数本の多くは自らインターネットショッピングで手に入れたものだった。

「(両面)テープをはがして、つけて取り替えるんだけど、なかなかキレイにできなくて。繰り返すうちに、もう『まあ、いいや。グリップなんかハマってりゃいいや……』ってさ」

 谷原は昨年から、欧州ツアーの一員として世界を巡っている。2018年はここまで日本ツアーに1試合も出場していない。新しい主戦場のシード権をまた確保し、'19年シーズンで3年目を迎えることが決まっている。

 世界各国を巡る欧州ツアーで用具のサポートを受けることは簡単ではない。10月末、トルコに来てくれた契約メーカーの担当者にさっそくグリップ交換をお願いし、キレイに付け替えてもらった。

【次ページ】 環境もコースも日本と違う。

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