ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
谷原秀人、欧州ツアーでの日常。
「靴下とパンツを毎日洗ってる」
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byYoichi Katsuragawa
posted2018/11/08 07:00
笑顔でクラブをチェックする谷原秀人。海外転戦の難しさはこんなところにもある。
ジャスティン・ローズもそう。
日本でエリート選手だった頃とはちょっと違う。個人スポーツのゴルフでは、それぞれのプロの周りに多くのサポートスタッフが日常的に帯同する。それこそ大名行列よろしく、と受け取られる選手もいる。
谷原は欧州に来て、分かった。
「移動が大変? いや、でもね、みんなそうしているから。ジャスティンもひとりでやっている」
現在の世界ランキング1位、イギリスのジャスティン・ローズのことだ。
「南アフリカで、ひとりでスーツケースをふたつ持って、飛行場を歩いていたんだ。『このクラスで、普通にこれをやるんだ……。みんなタフだわなあ』って思う。試合が終わってすぐ移動をして、翌朝にコースについたら練習をする。それが当たり前。飛行機でしか寝ていない。全員ではないけれど、こっちのやつらはそれがフツーなんだよね」
転戦するうちに荷物は少なく。
転戦を繰り返すうちに、谷原の荷物は少なくなっているそうだ。「(フライトで)すぐに重量オーバーの料金を取られるからさ。ポロシャツは6枚くらい、ズボンも4、5枚で何週間もやる。パンツなんか3枚あれば十分。靴下とパンツは毎日、自分で石鹸で洗ってるよ」と笑う。
「ゴルフがうまくなりたい」
その思いだけで海を渡ってきた。不便さもいとわない。荷物も、気持ちも身軽にさせるのは、別の世界に身を置いて得た実体験に他ならない。
「選手もそうだし、コースもそう。環境がそうさせてくれる。それは間違いない」
11月16日に40歳になる。
若い時の苦労は買ってでもせよ―――とは言われるけれど、どれだけ年を重ねてもそれをやめない人もいる。
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