Number ExBACK NUMBER
8万人が宇都宮郊外の山中に集結!
自転車ロードレースの国内最高峰。
posted2018/10/28 10:00
text by
生島洋介Yosuke Ikushima
photograph by
Sonoko Tanaka
宇都宮駅から北西郊外へとバスで40分ほど走った先にある古賀志山。毎年10月下旬になると、麓の森林公園から山頂へと伸びる古賀志林道の両脇がびっしりと人で埋め尽くされる。
彼らは、国内最大の自転車ロードレースであるジャパンカップサイクルロードレースの観客たちだ。
10月21日、森林公園に詰めかけた観客はなんと8万2000人。サッカーや野球などのような観戦チケットこそ不要だが、都市部から離れた山中にまで足を運ぶのはなかなかのハードルのはず。にもかかわらず、台風の影響でどしゃ降りに見舞われた昨年も7万人を集めている。
各国を転戦しているチーム関係者によれば、バスや自転車で来るしかない郊外のレースでこれだけ観客の多いレースは、アジアはもちろん本場のヨーロッパでも稀だという。今大会に出場した日本人初のツール・ド・フランス完走者・別府史之も「生きていてこんなに声援をもらえることはない」と話す。ジャパンカップはなぜこれほどの人を惹きつけるのだろうか。
参加選手たちも超豪華。
1990年にロードレースの世界選手権が行われたのをきっかけに、ジャパンカップは'92年からこの地でスタートした。森林公園を中心としたテクニカルでハイスピードな周回コースだ。
UCI(国際自転車競技連合)が統括する自転車競技は、ツール・ド・フランスなどグランツールを含むワールドツアーと、大陸ごとのシリーズ戦で行われるコンチネンタルサーキットがあるが、このジャパンカップは後者のアジアツアーの1戦で、そのなかで最上級の「オークラス」に格付けされている。
ワンデーレースとしてはアジア最高位の格付けなだけに、参加選手も豪華だ。チームの格付けとして最上位の「ワールドチーム」が5つ、その次の「プロフェッショナルコンチネンタルチーム」も3つ参戦している。過去にはジロ・デ・イタリア覇者のイヴァン・バッソや五輪金メダルのファビアン・カンチェラーラら、世界のトップ選手が姿を見せている。