濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
DDTでササダンゴがパンダと激突!
パワポの名手が語る“勝利”の定義。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byDDT PRO-WRESTLING&Norihiro Hashimoto
posted2018/10/17 07:30
DDTの10.6根室、10.7札幌大会でアンドレザと司令塔サムソン宮本に前哨戦を仕掛けたササダンゴ。笹がパンダを食う方法は?
1人のクリエイターの強烈なエゴ。
アンドレザの魅力の1つは、もちろん「圧倒的な愛くるしさ」だとササダンゴも言う。しかし可愛いだけで人気が出るわけではないのはどの業界も一緒だろう。ましてこのパンダはプロレスラーだ。
「今はSNSの普及もあって、プロレスラーが人間化、日常化してますよね。一方アンドレザ・ジャイアントパンダは“古き良きプロレスラー”を思わせる。それはデカさであり正体不明という部分、それにファンとの距離感ですね。身近ではない。(普段は根室にいるという)純粋な距離感も含め。それプラス、キャラクターとして見ると“これは会議室で、アンケートの結果をもとに生まれたものじゃないな”と。あくまで非公式というか、行政の主導じゃない感じ。1人のクリエイターの強烈なエゴから生み出されている。そこがまたいいんです」
1人のクリエイターの強烈なエゴから生み出されたという点において、アンドレザとササダンゴは共通する。ササダンゴ流に言えば「ポジショニングマップの同じ位置にいるんです。両方ともローカル、地方から出てきた異分子ですし」。
DDTがパンダをWWEへ送り込む!?
メジャー性があり、愛くるしく、なおかつ異分子としての求心力も持っているとなれば、いったいどうやって勝てばいいのか。いや、それは当日のパワポを楽しみにするとして、今回の取材では「スーパー・ササダンゴ・マシンは何をもって勝利とするのか」を聞いてみた。
「変な話、有刺鉄線バットで殴って“立てない”状態にしても、勝ったことになりませんからね。それじゃ誰も勝ったと思わない。そもそもがそういうところで闘ってないし。
じゃあ僕にとって何が勝利か。
お客さんが盛り上がるのはもちろんですけど、本当の勝利はこの試合がきっかけでアンドレザ・ジャイアントパンダがビンス・マクマホンなりトリプルHの目に止まってニューヨーク(WWE)に呼ばれ、契約することでしょう。
アンドレザ・ジャイアントパンダが東京のビッグマッチに初めて出る。それがDDTで相手が自分というのは光栄ですよ。だからDDTなりのおもてなしで“世界”に羽ばたいてもらえたら、と。結果、それが僕の勝利でもあるわけです」