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東口順昭「4年後は自分が出る」
森保JのGK争いを一歩だけリード。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byNaoki Morita/AFLO SPORT
posted2018/10/16 07:00
日本代表のGK争いは、次のフェーズに入った。東口順昭が4年後へのレースで一歩リードしたことは紛れもない事実だ。
最後は自分の判断で勝負するしかない。
それゆえ次のウルグアイ戦、出場した場合、東口にとっては重要な試合になる。
ただ、簡単な相手ではない。
ウルグアイは4年後に向けてリニューアル中だがFIFAランキング5位という強豪だ。カバーニを軸に南米らしい高い個人技に裏付けられた迫力のある攻撃力を持ち、クロスやシュートの精度はコスタリカ、パナマとはまったく異なる。東口も、攻撃力については十分に注意して対処しなければならないと認識している。
「かなり神経を使って対応せなあかんでしょうね。ウルグアイはクロスボールが正確やし、シュートもゴリゴリと迫って来て、しっかり枠をとらえてくる。そういうボールをどうやってセーブできるか。そこは自分の力を試せるところやと思うんで楽しみです」
ウルグアイの選手たちは打てるシーンがあれば、遠目からでも思い切りシュートを打ってくる。ロシアW杯のセネガル戦で目の当りにした、瞬時の判断が結果を左右するシーンが自分の身に起こるかもしれない。
「その状況状況できちんと判断してやらなあかんと思います。ただ、そこでミスを恐がったら何もできないんで、自分にミスしたらあかんというプレッシャーはかけへんようにしています。
慎重になり過ぎて積極的にやらへんで後悔するよりも思い切ってミスする方がましかなと思うんで、自分の判断を大事にしてやりたいです。その上であかんってなったら、それまでの選手やと思うんで、自分の力を100%出すだけですね」
W杯に立った日本人GKはまだ3人だけ。
ロシアW杯では西野監督の信頼を川島以上に勝ち取ることができなかった。指揮官の信頼を得るにはコンスタントに結果を出すことがもちろん重要だが、その信頼をより骨太にする重要なゲームがある。ザックの時は就任から3試合目、メッシがいるアルゼンチンに1-0で勝った試合が当てはまる。
奇しくもウルグアイ戦は、森保監督が指揮する3試合目、しかも相手はアルゼンチン並みの強さを誇る強敵だ。ここで自分の仕事をして結果を出せば、今後のレギュラー争いを優位に展開できるだろう。
しかし、東口は慎重だ。
「ウルグアイ戦でいいプレーができたとしても、これからもレギュラーを獲るための挑戦がつづくやろし、獲った後も挑戦やと思うんです。サッカー選手である以上、常に挑戦していかないと成長していかへんので」
これまでW杯に立ったGKは川口能活、楢崎正剛、川島永嗣の3人しかいない。東口は、彼らに並ぶことができるのだろうか。
ウルグアイ戦は、そのための最初の関門になりそうだ。