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「フィギュアスケートは総合芸術」
氷上の哲学者・町田樹、最後の演技。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto
posted2018/10/10 11:00
フィギュアスケートを含む「アーティスティックスポーツ」を研究している町田樹。これからは大学教授を目指す。
「フィギュアスケートを文化に」
町田は、先に感謝を捧げた人々に加え、総合芸術のための大切な、ある意味最も大切なピースに触れた。
「このスーパーアリーナが満員になる、ほんとうに幸せなことだと思います。選手、プロスケーターをみなさんの力で支えて、応援してあげてください。
フィギュアスケートをブームではなく、文化にみなさんの力で変えていってほしいと思います。
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これが私のフィギュアスケート実演家としての、最後の願いです」
おのれの信念にどこまでも忠実で誠実だったからこそ、フィギュアスケートと真摯に向き合い、地道にその努力を積み上げてきた。そんな、他に類を見ない個性を放ってきたスケーターは、フィギュアスケートへの情熱と思いとともに、氷上での25年間を締めくくった。
それは、新たな一歩を踏み出す日でもあった。