オリンピックへの道BACK NUMBER
柔道と並行して医師を目指す二刀流。
朝比奈沙羅の芯はずっと強いまま。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byKyodo News
posted2018/09/30 17:00
昨年の世界選手権でも延長戦に突入したものの、朝比奈沙羅は見事リベンジを果たした。
日本では難しいこともあるけど。
単純に考えれば、時間もエネルギーも分散してしまうため、柔道と医学の両方を追うのは容易ではないが、「柔道は2020年まで」と終着点を明確にしている。つまり限られた時間だからこそ、湧いてくるエネルギーや自覚もあるはずだ。2つを追うことで生まれるメリットもある。
何よりも「道を作りたい」という思いがモチベーションになっている。
「海外では、オリンピックのメダリストから弁護士やドクターになる選手も多いですが、日本だと難しいところがあります。自分がその先駆けになりたいと考えています。夢を夢のままで終わらせず、貫き通したいです」
異色の足跡を残しながら歩む朝比奈。遠くに思い描く風景が現実になると疑わず前へと突き進んでいく。