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J1首位・広島をお尻から支える
池田誠剛コーチと「座らない椅子」。 

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石倉利英

石倉利英Toshihide Ishikura

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photograph byToshihide Ishikura

posted2018/09/21 08:00

J1首位・広島をお尻から支える池田誠剛コーチと「座らない椅子」。<Number Web> photograph by Toshihide Ishikura

『座らない椅子』でトレーニングする様子。サンフレッチェ広島の今季の好調を支える“秘密道具”だ。

知り合いの鉄工所に頼んで製作。

 FC東京のフィジカルコーチを務めていた2年前、知り合いの鉄工所に頼み、オリジナルで製作してもらった。リクエストしたのは座面の角度と高さを変えられることに加え、360度すべての方向に進むこと。

 その椅子でまっすぐ前に進むようにすると、左右両足をバランス良く使うことを覚え、インナーマッスルも鍛えられる。試作品を作ってもらうと、すぐに満足のいくものが届けられた。

 カエルのようなフォームには、細かい要素がある。足全体を地面につけ、足の指は上に反らさず軽く地面をつかむようにして、かかとをメインにして押し出す。サッカーをプレーするときの足の感覚を意識することが重要だ。正しいフォームを覚え、より大きな負荷をかけたい選手には、ゴムひもを体に巻いて後ろから引っ張ることもある。この椅子を使うと、四股をするときに使ってほしい筋肉も分かるという。

 ケガをしにくいランニングフォームと、それに付随する臀部のトレーニングの効果は、酷暑の夏も衰えなかった走力が証明している。フィジカルコンディションの充実は、今季の広島の好調を支える大きな要因だ。

 9月12日で33歳となった今季も、主力として安定したプレーを続けるDF水本裕貴は、「昨季は試合終盤の苦しいときに、最後の一歩が思うように出ないときがあった。でも今季は、そういうことが少ない。良い循環は、すごく感じています」と手応えをつかんでいる。

 J1残留争いを強いられた昨季からのV字回復。「座らない椅子」で鍛えた臀部が生み出すエネルギーを、美しいランニングフォームで大きな推進力に変える広島が、3年ぶり4回目のJリーグ制覇へと加速する。

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