アリソン退団、守護神の座は？

　新守護神オルセンにかかるプレッシャーは大きい。

　昨季の躍進を担った1人であるブラジル代表GKアリソンは、最終ラインへ安心感を与えながら抜群の反応速度と正確な飛び出しでリーグ最多の17試合を完封し、CLでもクリーンシート5試合を記録した。一躍ワールドクラスへと成長した彼はこの夏、リバプールへ旅立った。

　2年前までローマのゴールマウスを守っていたGKシュチェスニは、今季から7連覇王者ユベントスの正守護神として君臨する。

　いかにスウェーデン代表として出場したロシアW杯で3試合を無失点に抑えたといっても、欧州5大リーグ初挑戦となるオルセンが、先達2人の後釜となるのは容易なことではない。

　開幕トリノ戦ではMFバセッリのシュートをキャッチし損ね、アタランタ戦ではニアポストと低いボールへの対応に苦慮した。ミラン戦でFWイグアインに許したゴールはVARに取り消されたものの、1対1への飛び出しが完全に遅れていた。

「アリソンが残した素晴らしい実績のことは知っている。GKが替わればファンが不安がるのは当然だ。でも、僕には自信がある」（オルセン）

　自信があるのはいいことだが、最終ラインとの連係不足解消は急務だ。今季のチーム内規として指揮官が外国人選手に厳命するイタリア語習得も大事になってくるだろう。

クライファートJr.は人気急上昇。

　一方で楽しみな新戦力といえば、19歳のFWジャスティン・クライファートだ。

　アヤックスやバルセロナ、オランダ代表で活躍した名ストライカーである父パトリック（現カメルーン代表副監督）と異なり、ジャスティンは171cmの小兵ドリブラー。開幕戦後半から途中出場してセリエAデビューを飾ると、終了間際にFWジェコへ完璧なアシストを決めた。「ゴールするのが一番だけどアシストを決めるのもウイングにとっては大事なことだ。パパの助言を聞きながら、ローマで成長したいと思ってる」

　両腕にはタトゥーがびっしりで大音量ラップを愛するクライファートJr.は、ロッカールームの中では先輩たちに可愛がられ、ゴール裏からの支持率も急上昇中。ジャスティンの反骨精神に惚れ込むパロッタ会長も「年間10ゴールしたらランボールギーニを1台プレゼントしてやろう」と期待を寄せる。

　また7年ぶりにセリエAへ復帰したMFパストーレ（前パリSG）や世界王者となったフランス代表MFエンゾンジ（前セビージャ）など楽しみな戦力は揃った。

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