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ネイマールはパリが大好きだが……。
PSGファンが彼を嫌いな多くの理由。
text by
クリストフ・ラルシェChristophe Larcher
photograph byBarnard Papon
posted2018/08/29 17:00
パリ・サンジェルマンのサポーターたちは、彼のその増上慢ぶりが収まることを期待していたが……一向にその気配は無い。
人間としての度量を見せそこなった。
「ネイマールはパルクの観衆に好かれる絶好の機会を逃してしまった」とニコラ・ボットマンは断言する。
「彼はもっと賢く振る舞うべきだった。カバーニにズラタンの記録を破るチャンスを与えていれば、残りのシーズンを観衆の後押しとチームメイトの信頼を得ながら戦うことができたのに。監督の指示で彼が蹴ったとは思えない。ネイマールは指示を守るような男ではない。
この行為が意味するところは重大だ。
カバーニにPKを譲らなかった人間は、ゲームの流れの中で絶対にパスを出すべき場面でもボールを離さないだろうから」
ファンが期待した大人の対応――人間としての度量を見せられなかったことが、彼らの間に苛立ちを生んだ。
彼はファンサービスを全くしない。
「遺恨とさえ言えるかもしれない」と、『カルチャーPSG』のフランソワ・デナは言う。
「そのうえネイマールは、ファンとの絆を深める努力を何もしていない。ブラジルで休養している間も、サポーターにまったくメッセージを発信しなかった。
ソーシャルネットワークを通じて『ファンの皆さん、どこにいても僕はあなた方とともにある』ぐらい言ってもいいのに」
実際、エル・マタドール(カバーニの愛称)の崇拝者たちにとってネイマールは、献身の精神に溢れゴールの度にスタンドに向かって喜びを表現するカバーニとは比較の対象にすらならない。
「途方もないオファーが提示され、移籍金の記録が更新されると、ネイマールはまるで自分が王様になったかのように思い込む。
だが、ことはそう簡単ではない。彼はまず自分がそれだけの金額に見合った選手であることを示す必要がある」
とフランソワ・デナは語る。