濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
柔術家・関根“シュレック”秀樹、
プロレスデビューでUWFの夢実現。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2018/07/15 07:00
1973年、静岡県生まれ。40代にして夢の一つを叶えた関根秀樹。177cm、118kgの体躯はプロレスラーとしても説得力充分だ。
ファンとして夢を叶えた試合。
垣原興行『カッキーライド』は8月14日、ケガにより病院でリハビリに励む高山の支援を目的とした『TAKAYAMANIA EMPIRE』は8月31日に、それぞれ後楽園ホールで開催される。2人ともUインターで活躍した選手だ。
「今日はUインター活動休止で潰えた夢のやり直しをすることができました」と関根は言った。気持ちの上では“柔術家のプロレス参戦”ではなく“レスラー志望の柔道部員が夢をかなえた”試合だった。
とはいえ柔術とMMAでの実績からして、自分から売り込めばハードヒットなり他のリングなりにもっと早く上がることもできたのではないかと思うのだが。
「でも、気持ちは1ファンですから。プロレスは神聖なもの。勝てばいいってものじゃないし、絶対に倒れない強さを持つのがプロレスラーですから。柔術・格闘技をかじったからって出られるもんじゃないと思ってました」
新人離れしたデビュー戦を見せた男は、新人どころかファンのようにプロレスに対して純情なのだった。
「次のハードヒットも出たいですし、出られなければまたファンとして客席で見たいと思います」という関根だったが、もちろん放っておかれるはずがない。
佐藤は「どんだけ謙虚なんだ」と苦笑いしつつ「間違いなく次もオファーします」と明言した。