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通訳機はハマらずとも作戦はハマる。
西野朗監督の策士っぷりが半端ない。 

text by

木本新也

木本新也Shinya Kimoto

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photograph byKaoru Watanabe/JMPA

posted2018/06/28 08:00

通訳機はハマらずとも作戦はハマる。西野朗監督の策士っぷりが半端ない。<Number Web> photograph by Kaoru Watanabe/JMPA

かつてこれほど采配で試合に影響を与えることに成功し続けた代表監督がいただろうか。

実に堂々と、余裕さえ感じさせる。

 J1リーグ歴代最多270勝の実績は伊達じゃない。

 ブラジルを破るマイアミの奇跡を演じた'96年アトランタ五輪、G大阪を率いた'08年クラブW杯など世界舞台の経験もあり、自身初のW杯でも実に堂々としている。

 同時通訳機のくだりと、ウィットに富んだ軽妙トークで構成されたエンターテインメント性の高い監督会見からは、余裕さえ感じる。

「ポイント3(勝ち点3)」「自エンド(自陣)」「プレーイングディスタンス(守備範囲)」など横文字だらけの“西野語”の解読も面白い。攻撃的カードを積極的に切る采配や、オフサイドトラップに象徴される“奇策”にもワクワクさせられる。

 頑固だが、奥さんに頭が上がらないなどお茶目な一面を持つハリルホジッチ前監督も人間味があり好きだったが、底が知れない西野監督には周囲を引きつける不思議な力がある。その魅力、半端ないって。

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