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西武・森友哉の正捕手定着を信じて……。
大きな批判は大きな期待の表れである。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2018/06/28 11:15
オールスターのファン投票で選ばれた西武の6人。前列左から菊池、秋山、浅村、後列左から源田、山川、そして森。
先輩捕手・炭谷は森をどう見ているのか?
ライオンズには森と同じように高校からライオンズに入団し、1年目からマスクをかぶってきた炭谷銀仁朗がいる。
今年、プロ入り13年目となる炭谷に「リード面で自分の考えをピッチャーに強く打ち出せるようになったのは何年目くらいか」と尋ねると、こう答えた。
「ここで急に考えを口に出せるようになったという、はっきりした記憶はないですね。今のような考え方に至ったのは、若いときからずっとマスクをかぶらせてもらって、本当にたくさんのピッチャーと組ませてもらったおかげやと思います」
炭谷は入団から現在まで、実に多彩な投手陣とバッテリーを組んでいる。
西口文也(現コーチ)、松坂大輔(中日)、石井一久、涌井秀章(千葉ロッテ)、岸孝之(東北楽天)、現在は菊池雄星と、そうそうたるメンバーの超一流の投手のボールを受けてきた。
年が近い若い投手と一緒に悩んで考え成長してきた。
炭谷が憧れる城島健司氏には、一軍デビューのころ大先輩である工藤公康投手(現福岡ソフトバンクホークス監督)に叱咤激励され、捕手として成長したという逸話が残されている。
「僕は誰かに怒られたことはなかったですよ。『このリードは絶対にアカンやろ』とは言われなかった。逆に、そうやって先輩が圧倒的に多い中で涌井さん、岸さんという年齢が近いピッチャーと組んだことが大きかったと思います。
僕が若かった分、向こうも若かったので、一緒に考えたり話したりして知識と経験を増やして来ることができました。もし歳の離れた先輩ばかりだったら、なんも言えへんで来てしまったかもしれない」(炭谷)