プロ野球PRESSBACK NUMBER
西武・森友哉の正捕手定着を信じて……。
大きな批判は大きな期待の表れである。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2018/06/28 11:15
オールスターのファン投票で選ばれた西武の6人。前列左から菊池、秋山、浅村、後列左から源田、山川、そして森。
野村克也氏から厳しい指摘を受けたことも。
矢面に立ったのは若いキャッチャー、森だった。
「リードが淡泊」
「もっと配球術を勉強したほうがいい」
キャッチャー出身の解説者、野村克也氏にもメディアを通じて厳しい指摘を受けた。
森は言う。
「ピッチャーの失点が多いときは、やっぱり責任を感じますね。あれだけ点差が広がってしまったら試合に勝てないので……」
大量失点した試合のあとは、投手と試合後に話し合いの時間を持つ。映像を見直し、どこが問題だったのか、投手と話しに行くと森は語る。
「多和田さんが打たれてしまった試合のあとは、ベースの隅に乗っかるくらいの誤差で甘くなったとか、悪い流れになってしまった原因を話し合ったこともあります」
5月、6月と口数が減っていった森。
当然、ピッチャーがキャッチャーの要求通りに投げてくれれば、思い描いたリードができる。しかし、すべての球種が完璧にコントロールされる試合は年間、何試合もない。
「その日の調子のいいボールを中心にして、組み立てを、その場で考え直します」と試合中にも修正を繰り返すのがキャッチャーの仕事だ。
「やはりプロなんで、打たれたピッチャーも生活がかかってますし……。そういう意味では大きな責任を感じます」
普段はやんちゃなイメージが先行する森だが5月、6月とチームの投手防御率が悪化している最中は口数も減っていった。