フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
元祖“4回転王”エルビス・ストイコが、
羽生結弦へ貴重なアドバイス。
posted2018/06/19 11:30
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Akiko Tamura
6月8日から10日まで、長野オリンピック・パラリンピック20周年を記念して長野のビッグハットで行われたアイスショー「ヒーローズ&フューチャー」。そこに出演した長野オリンピック銀メダリスト、カナダのエルビス・ストイコが独占インタビューに応じた。
1994年リレハンメルと1998年長野で2度のオリンピック銀メダルを手にしたストイコは、4回転トウループを安定した武器として跳ぶことができた最初の選手である。史上初の4+3トウループコンビネーションを試合で成功させた、元祖「4回転王」だった。
1994年、1995年、1997年と3度世界タイトルを手にし、優勝候補として挑んだ長野オリンピックだったが、内転筋の負傷により得意の4回転を見せることができず、銀メダルに終わった。
20年後にようやく完成された輪。
ストイコは、長野オリンピックを振り返ってこう語る。
「自分の人生を1998年以前と1998年以降、というように区切って考えているんです。長野オリンピックでは金メダルを取りたいと願ってきたけれど、怪我のためベストな演技ができなかった。
あの大会ではエキジビションに出ることもできなかったので、こうして20年後に戻ってきてアイスショーに出してもらったことで、ようやく書きかけにしたままだった輪を完成させることができた、という気持ちです」
長野オリンピックでは、フリー演技後苦痛に顔をゆがめ、表彰式にはスニーカーに履き替えて臨んだ。今回ショーの行われたビッグハットはオリンピックのホッケー会場だったので、会場こそ違うものの、こうして20年後に長野で演技ができたことで心の区切りがついたのだという。