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イチロー、2日間のコーチデビュー。
監督代行の可能性には「勘弁」? 

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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posted2018/05/19 11:30

イチロー、2日間のコーチデビュー。監督代行の可能性には「勘弁」?<Number Web> photograph by Getty Images

ベンチコーチとしての役割は多岐にわたる。敵味方の出場選手をチェックする仕事も。

“イチロー監督代行”の可能性が。

 実はこの日。イチローには最も恐れていた事態があった。“イチロー監督代行”の誕生である。

 5回、敵将のロン・ガーデンハイアーが通算75回目の退場となった。監督の退場はベンチコーチが代行を務めることになる。アクタ監督代行は血気盛んなドミニカン。インディアンスの監督を務めていた'10年9月5日には、イチローの内野安打を巡り抗議し退場になっていた。イチローにその記憶が蘇った。

「マニーが退場にならないことだけ。それだけは勘弁してほしい」

 アクタ監督代行は試合中にイチローが懇願に来た事実を打ち明けた。

「ガーデンハイアーが退場になった後、イチローはすぐ俺の所に来て言ったんだ。『お願いだから、退場にはならないで』って(笑)」

 イチローはそれでも気が気でなかったと言う。

「監督、ああ言う性格だから。言ってても心配でした。その緊張感はありました」

 念押しまでしに来たイチローに対し、アクタ監督代行は人ごとのように笑った。

「普通の人は監督をやりたがるものだけどなぁ。イチローは違うんだよなぁ」

 何が起こるかわからないのが、今年のイチロー。どうせなら、監督代行の姿を見てみたかった。

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