フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
フィギュア世界王者が統計学と医学を。
ネイサン・チェン、エール大入学へ。
posted2018/05/14 10:30
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Akiko Tamura
2018年世界チャンピオン、ネイサン・チェンがアイビーリーグ、エール大学に入学することが発表された。5月1日にニューヨークのチャリティイベントに姿を現したチェンに、独占取材を行った。
米国「スターズオンアイス」の全米ツアーの合間に、マンハッタンで行われたハーレムの子供たちの教育を支援するチャリティ団体「フィギュアスケーティング・イン・ハーレム」のガラパーティーに、スーツとネクタイ姿で顔を見せたチェン。
その時18歳だったチェンは3月にミラノ世界選手権で優勝し、アメリカ人男子として9年ぶりの世界チャンピオンになっていた。
「でもあれから次々と、色々な優先事項が目の前に現われて、まだ自分が世界チャンピオンになった実感は沸いていないんです。それに、別に違う人間になったわけでもないし」と、相変わらず早口の英語で話しながら、笑顔を見せた。
優先事項とは、もちろん「スターズオンアイス」の全米ツアーのレギュラーメンバーになったこと。そして4月はじめに、名門アイビーリーグのエール大学から入学許可の知らせが届いたことだろう。
カリフォルニアからコネチカットへ。
カリフォルニアでトレーニングをしてきたチェンだが、エール大学のあるコネチカット州ニューヘイブンに移住することになる。だが大学にフルタイムで通いながら、スケートのトレーニングは続けていく、という。
「新学期が始まるのは8月の末です。トレーニングは、大学のキャンパスから30分ほどのリンクに通う予定です」
ラファエル・アルトゥニアンコーチとの関係はこれまで通りで、現地で当座のコーチを探す予定はないという。
「ラファエルがいない間は、1人でトレーニングをすることになるでしょう。コネチカットに移住といっても、年のうち(夏休み休暇など)4カ月はうちに帰れます。あとはラファエルに来てもらい、ぼく自身も行けるときは(カリフォルニアに)通うつもり。まだ正確な授業のコアコースの予定が出ていないので、それがわかったらもっとはっきりスケジュールが立てられると思うんです」