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この夏モウリーニョが切る選手は?
マンUの補強策に妄想を膨らませる。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2018/05/04 11:30
グアルディオラ監督率いるシティに後塵を拝しているばかりではいられない。モウリーニョ監督の補強策やいかに?
チェルシーの“あの選手”が獲れれば。
昨年末から、トッテナム・ホットスパーのダニー・ローズに関心あり、との情報が流れ始めている。ローズがスパーズの待遇に不満たらたらで、シーズン終了後、直ちにユナイテッドと契約するとも伝えられた。しかし、彼もまたケガが非常に多い。昨シーズンは後半戦をほぼ棒に振り、今シーズンのスタメンもわずか7試合。スパーズでもベン・デイビスの後塵を拝している。直近のパフォーマンスも含め、ローズは対象外だ。
さて、ここからはユナイテッドを愛する筆者の希望(妄想)である。
チェルシーのセサル・アスピリクエタこそが、ユナイテッドの不安を解消できる唯一無二の存在だ。モウリーニョも「ポジショニングのミスを見たことがない」と絶賛する名手で、右でも左でも、3バックでも4バックでも難なく、しかも高度に対応できる。
彼のような超一級品を補強すればDF陣は確実にレベルアップし、GKダビド・デヘアのクリーンシートが20試合を超えることも考えられるのではないだろうか。昨シーズンはプレミアリーグにフル出場。今シーズンも第14節のスウォンジー戦を除く34試合にフル稼働するタフネスも魅力的だ。
35試合消化時点で、チェルシーはチャンピオンズリーグ出場に一縷の望みをつないでいる。しかし、4位以内に入れなかったとき、アスピリクエタの気持ちはグラつくはずだ。心の隙をつけないものだろうか。
現状のCBは史上最悪のペア。
センターバックも胸を張れる陣容ではない。フィル・ジョーンズとクリス・スモーリングは強度が物足りない。ユナイテッド史上、最弱のペアだろう。ケガも多く、回復に手間どる傾向がある。モウリーニョが最も嫌うポジショニングのミスも増えるばかりだ。お別れの日が近づいている。
また、エリック・バイリーも故障を繰り返し、24試合に欠場している。しかし、出場した試合では天性の運動能力と優れた洞察力によって、幅広いゾーンをカバー。とくに第30節のリバプール戦は、ひとりでバイタルエリアを守っていたといっても差し支えなかった。
コンディションさえ整っていれば、ワールドクラスのDFであることに疑いの余地はない。緩やかな成長曲線を描くビクトル・リンデロフ、希少なレフティーであるマルコス・ロホとともに、残留は確実だ。