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上田康太が名波と俊輔から学んだこと。
磐田を離れた左利きが岡山を牽引。

posted2018/04/28 08:00

 
上田康太が名波と俊輔から学んだこと。磐田を離れた左利きが岡山を牽引。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

上田康太のフリーキックには、たしかに俊輔の雰囲気を感じる部分がある。

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石倉利英

石倉利英Toshihide Ishikura

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 4月14日のJ2第9節、大宮vs.岡山戦の54分。0-1でリードされていた岡山は、ゴール正面約20メートルの距離でFKを得ると、上田康太が左足で直接ゴールを狙った。

「いい感じのスピードで蹴れば入ると思いました。ちょっと引っかけて、落とす感じで」

 イメージ通りの軌道を描いたボールは、ジャンプした大宮の7人の人壁を越えて落ち、相手GKの右手の先を越えてネットを揺らす。追い付いた岡山は1-1で引き分け、アウェーゲームで勝ち点1を持ち帰った。

 FKを直接決めたのは、今季2度目だった。

 最初は3月4日の第2節、岡山-栃木戦の15分。距離はやはり約20メートル、ゴールに向かって左寄りの位置は、左足で直接狙うのは難しい角度だ。

「人壁の外側から巻いて狙えそうでした。速いボールで通そうと思った」

 外側の斜め上を抜け、ニアサイドのポストぎりぎりに決まった先制点で勢いに乗った岡山は、3-0でホーム開幕戦を飾った。

俊輔と一緒にFKの居残り練習。

 第10節を終えて2位と、初のJ1昇格に向けて好位置につける岡山。今季、完全移籍で加入し、ボランチの一角で攻守にチームをリードする上田は、昨季に直接FKのレベルアップの手応えをつかんでいた。

 ベースとなったのは、希代のレフティーとの居残り練習だった。

「俊さんは決めて当たり前、外したら珍しいくらいの感じなので、一緒にやっていて自分だけ平気で外すわけにはいかない。同じ蹴り方はできなかったので、キックを学んだというよりは、俊さんについていかなきゃ、という思いで一本一本、より集中して蹴ることができたのが大きかったですね。それで少しうまくなった気がします」

【次ページ】 チームが勝つために周りを誘導する俊輔。

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