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ハンドボール代表に世界一の監督が。
シグルドソンという男の履歴書。
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byCedric Diradourian
posted2018/04/23 08:00
シグルドソンが最も大切にしているのは「選手個々、チームを向上させること」だ。
チームの合言葉は「BERJAST!」。
1月18日に韓国で開幕するアジア選手権は、'20年東京五輪へ向けた日本代表チームの強化がどれだけ進んでいるか、その試金石となる。
「本当に難しいトーナメントになると思います。同じグループにはイラン、ウズベキスタンがいますが、イランとはタフな試合となるでしょう。グループリーグを突破しても、韓国と対戦する場合は、相手はホームというアドバンテージもあり厳しい戦いになると予想されます。カタール、サウジアラビア、バーレーンなどの中東も、どのように戦ってくるのか興味深い。
もちろん、他国の強化も進んでいるので油断はできませんが、選手たちは私が行おうとしているシステムにも随分慣れ、良い強化の軌道に乗っていて強くなっていると実感しています。アジア選手権には'19年世界選手権の出場権もかかっています。東京五輪を見据えた強化、準備という意味でも、必ず突破しなければならないと思っています」
'20年東京五輪での上位進出はもちろん、指揮官はさらにその先へ向けての強化が重要だと繰り返した。
「'20年が終わりじゃない。東京五輪以降も成長を続けて、さらに強くならなければなりません」
チームの合言葉は「BERJAST!」(ヴァリヤスト/アイスランド語で『がんばろう!』)。
日本ハンドボール界の救世主が、改革にあふれんばかりの情熱を注ぐ。
(Number944号『ダグル・シグルドソン「すべての試合に勝つという気持ちで」』より)