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部活から飛び出した女子がNCAAに!?
池松ほのか、米国バスケ武者修行。
posted2018/04/23 10:30
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Yoko Miyaji
試合前のウォームアップからロッカールームに戻った池松ほのか(ロバートモリス大)は、ホワイトボードに自分の名前が書かれているのを見て、目を疑った。
「マジ? スターター? ワオ!」
ホワイトボードに書かれていたのは、その日(2017年11月11日)のシーズン開幕戦のスターティング・ラインナップだったのだ。
日本から留学してきたばかりの1年生選手が、いきなりスターターに抜擢されたのだ。しかも、初戦の相手は強豪ミシガンステイト大。
「(スターターだとわかってからは)もうやるしかないって思ったんで、ドキドキしたけれど、ワクワクしました」
池松が突然のスターター抜擢に驚いたように、日本のバスケットボール・ファンにとっては、突然、NCAAディビジョンI(D1)のロスターに登場した池松の存在自体が驚きだった。
何しろ、その時点では「池松」の名前を検索しても、出てくるのは、3×3の大会でU18熊本代表として出場したときの記録だけ。ほぼ無名に近い選手がいきなりアメリカの、NCAAディビジョンIの舞台に現れたのだ。
「世間の人にしたら『誰だよ、お前』っていう感じだと思います」と池松も言う。
「自分がそんな舞台に立っているという感覚もないし、ただ、大好きなバスケットをしてきたら、ここにたどり着いた、みたいな」
学校の部活ではなく、クラブチームで育った。
熊本育ちの池松は3人兄弟の末っ子。4歳上の兄がバスケットボールをやっていて、小さいときから兄の試合や練習を見るのが大好きだったという。
小学校3年のときに、自分もクラブチーム、「熊本レッドベアーズ(現トルネードアカデミー熊本)」に入ってミニバスを始めた。
白川中学、そして国府高校で部活にも入ったが、高校2年のインターハイ予選が終わったときに部活を辞め、熊本レッドベアーズの活動に専念した。
クラブチームのほうが楽しく、自分にあっていると感じたのだ。