【NSBC補講II】 BリーグNo.1経営者のビジネス論BACK NUMBER
Bリーグ千葉がより成長するには……。
数字以上に「質」を重視する経営へ。
text by
島田慎二Shinji Shimada
photograph byB.LEAGUE
posted2018/04/19 07:30
千葉ジェッツは、チーム、エンターテイメント、ホスピタリティ、三位一体の質の向上を追求し続けている。
上に行くのは至難の業なのに、落ちるのは早い。
というのも、事業規模や顧客という面において、ジェッツはリーグトップクラスを維持できていますが、それがいつまでも続く保証はないからです。まさに一寸先は闇なのです。
人間は上に位置すると安住し謙虚さを失ってしまいます。しかし、そういう時に限って奈落の底に突き落とされる。しかも、上に行くのは至難の業なのに、落ちるのは早い。
私は長年ビジネスに関わり紆余曲折を経験してきた中で、いい時にこそ締めて、悪いときこそアグレッシブにいったほうがいいことを痛感してきました。そういった意味で、今は良い時期だからこそ、油断や傲慢さがでないように締める。現状で成長しているからと満足したり、登りつめたというような感覚ではいけないと叱咤しています。
経営の「数」よりも「質」を考えたい。
ジェッツでは四半期毎に人事評価を行っており、3カ月毎に定量、定性の目標を設定し、評価と次の四半期目標の設定を繰り返し行います。年2回の評価の総合点で昇給、降給が決まる、信賞必罰を行っています。
常に、やるべきこと、重要なことをフォーカスさせ、緊張感を持って取り組ませる。長期的な視点もそうですが、短期的な視点も見せるようにしています。
ジェッツはここ3年で売上を急激に伸ばしてきました。しかし、ただ伸びればいいというものではないというのが私の考えで、数字と同時に、お客さま(ブースター)の満足度を上げることも重要だと何度も話をしてきました。
そういった意味では、もちろん数字は追っていますが、それ以上に重視してきたのが「質」です。
この1年間、チーム、エンターテイメント、ホスピタリティ、三位一体で質の向上に取り組んできました。
まずはチームの質に関してですが、ある程度勝利を収めているとはいえ、多くのブースターの方々を前に、「こういう試合はないんじゃないの?」というゲームも正直あります。ジェッツが掲げる「走る」バスケの完成形かといえば、そこには至っていないというのが現状で、まだまだ向上していかなければなりません。