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長谷部「話さなくていいことはある」
監督交代劇について選手の反応は?
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byGetty Images
posted2018/04/17 11:00
長谷部誠はどんな質問にも真摯に答える選手である。彼の「話さなくていいこと」という判断には信頼感がある。
ハリルとも西野監督とも縁のある宇佐美は……。
一方で、代表においては若手でありW杯初出場を狙う原口元気、宇佐美貴史の反応は揃って「驚いた」とフレッシュだった。代表主将である長谷部とは明らかに温度が違う。
原口は「まあ選手間でも噂にはなってはいたけど……。ここまで来たからには最後までやると思ってた。監督交代になって悔しくないなんておかしい」と自分たちの不甲斐なさを口にした。
複雑な表情をしていたのは宇佐美だった。ハリルは、アギーレ時代には代表に縁のなかった宇佐美を代表に招集し、期待をかけてくれた人物である。だが、西野朗新監督もまた、恩人のひとりだ。ガンバ大阪で17歳のプロデビュー時の指揮官なのだ。
「西野さんの率いるチームに加わることができればすごく懐かしいって思いにかられるでしょう。西野さんという監督のことを少なからずわかっていると思いますし。まあやっぱり、より加わりたい気持ちです」
若かりし頃に言われた「読むな」。
若かりし頃、宇佐美はよく声をかけてもらったのだという。中でも覚えているのは、と明かしてくれたのはこんな話だ。
普段Jクラブがアウェー戦に遠征するときは、前日入りすることがほとんどだ。その遠征メンバーは試合前日の練習後に発表され、帰宅せずクラブハウスからそのまま遠征に行くという流れが多い。
ある試合前、宇佐美は自らをベンチ外と予想して、前日入りの用意を全くせずに練習にでかけた。だが練習時にけが人がでたため、急遽ベンチ入りすることになった。遠征分の用意をしていない宇佐美は、練習場の倉庫にあるものでその場をしのいだ。現地入りすると、その急ごしらえが西野にバレて、短い一言をかけられたという。
「読むな」