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駒大苫小牧の応援が甲子園で復活。
高校野球におけるブラバンの「力」。 

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中村計

中村計Kei Nakamura

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photograph byKyodo News

posted2018/04/16 08:00

駒大苫小牧の応援が甲子園で復活。高校野球におけるブラバンの「力」。<Number Web> photograph by Kyodo News

駒大苫小牧の吹奏楽はある時期確実に甲子園の名物だった。再び旋風を巻き起こす日はくるか。

野球に合わせたらテンポが早くなった。

 もう1つ、駒大苫小牧の応援が特徴的なのはテンポの速さだ。「テンポ180」が基本設定。1分間に180拍打つスピードだ。このテンポが生まれた背景が興味深い。内本が言う。

「香田野球は、とにかくスピード感があった。それに合わせるうちにどんどん早くなっていったんです。だから展開によって、こちらのスピードも変わってくる」

 それだけ選手と応援が一体になっていた証でもある。そしてその一体感が、周りの観客を巻き込んでいったのだ。

「いい野球をしているときは、観客のレスポンスがいい。佐々木(孝介)新監督になってから10年目ですが、最初は演奏と野球にズレがあった。でもだんだんかみ合うようになってきて、それにお客さんも乗ってくるようになりました」

 今大会、4年振りに甲子園に帰ってきた駒大苫小牧だが、初戦で静岡高校に0-7と完敗した。内本が課題を挙げる。

「うちはまだ監督の言う通りに動けるレベル。でも静岡高校は、それプラス、自分で考えていた。駒大苫小牧も強かったときは、そうでした。もう1つ上に行くには、選手が自ら考えるような野球が必要でしょうね」

 内本は野球に関してはまったくの素人だ。しかし、ここまで的確に分析できるのは、演奏で野球を感じ取っているからでもある。

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