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彦根東の「幸運の極短80cmバット」。
3ランを生んだ甲子園用の秘蔵の1本。
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中村計Kei Nakamura
photograph byKyodo News
posted2018/03/28 17:00
![彦根東の「幸運の極短80cmバット」。3ランを生んだ甲子園用の秘蔵の1本。<Number Web> photograph by Kyodo News](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/8/c/350/img_8c9dc7bd1140affb472ae6f2d27cd68f188258.jpg)
スリーランホームランを放って、満面の笑みで一周する彦根東・高内希。この一発は決して忘れないだろう。
「あのバットで行けー!」に他の選手は「嫌です」。
慶応の試合動画を何度も見ていた高内は、慶応バッテリーの心の動きを完全に読んでいた。
「気の強そうなピッチャーだったので、得意のインコース真っすぐがくるだろうなと思った。その前に首を振ったときも、やっぱりインコースを攻めてきたので」
生井が投じたインサイドの直球に対し、高内がヒジをうまく畳んでくるりと体を回転させた。80センチのバットから弾かれた打球が、ふらふらと舞い上がる。そして、レフトポール際、スタンドの最前列に落ちた。
「最高の気分でしたね」
高内が会心の笑顔を見せた。
あとから極短バットだったため、短く持てなかったのだということを知った松林部長が言う。
「他の選手にも『あのバットでいけー!』って言ったんですけど『嫌です』って(笑)」
彦根東に劇的な逆転勝利をもたらした幸運の極短バット。果たして、次の出番はあるのだろうか。
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