ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
中邑真輔、レッスルマニアへの想い。
本当にすげえプロレスを見せてやれ。
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byMediaPunch/REX/Shutterstock/AFLO
posted2018/03/27 08:00
レッスルマニアで日本人初となるWWE王者へ――。中邑真輔、時は来た!
WWEではまだ“よそ行き”なだけに。
『レッスルマニア34』でのAJスタイルズ戦について、中邑は静かに、そして力強く意気込みを語っている。
「(AJスタイルズという)数少ない尊敬できる相手と試合ができるというのは、常に興奮するっていうのもあるし、べつにお互い口裏を合わせているわけではないんですけど、“やってやろう”という気持ちが高まっていますね」
この「やってやろう」という言葉の中には、「AJとの試合で世界を驚かせてやろう」という意味も、きっと含まれている。
WWE参戦以降の中邑は、そのカリスマ性で世界中のファンを魅了してきたが、試合内容は、どこか“よそ行き”に見えたことも確か。「まだまだこんなもんじゃない」とは、新日本時代を知るファンと、中邑真輔本人の共通した思いでもあるはずだ。
「“シンスケ・ナカムラ”を全世界に」
この2年間は、中邑にとってWWEへのアジャスト期間であり、自分のスタイルをWWEユニバース(ファン)たちに浸透させるために必要な時間でもあったのだろう。
しかし、その期間はすでに終わった。中邑真輔は、『レッスルマニア34』という最高の舞台で、AJスタイルズという最高の相手とともに、いまこそ自分のすべてを解放し、「本当にすげえプロレス」を見せようとしているのだ。
「AJには、勝ちたいと思っているのはもちろんのことですが、それ以上に、“シンスケ・ナカムラ”を全世界にアピールしたいですね」
もう遠慮はいらない。最高に滾った中邑真輔を全世界に見せつけてやれ!