濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
躍進を続ける“進撃の大巨人”。
三冠を制した石川修司が古巣DDT制圧へ!
posted2018/03/17 07:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
DDT Pro-wertling
DDTプロレス春の大一番、両国国技館大会(3月25日)が近づいてきた。
“文化系プロレス”と呼ばれるDDTは、バラエティ豊かなマッチメイクが魅力の1つ。今大会でも、男色ディーノとグレート・ムタが6人タッグで対戦するなどカードの独創性は他の追随を許さない。
ただ、メインイベントに関しては完全な直球勝負だ。団体最高峰のシングル王座、KO-D無差別級タイトルをかけて竹下幸之介と石川修司が対戦する。
王者、竹下は22歳で、日本体育大学を卒業したばかりだ。高校生時代にDDTでプロレスデビューし、昨年3月に戴冠すると同タイトルの最多防衛記録を樹立、更新し続けている。
DDTで生まれ育ち、DDTを盛り上げ、守り続けてきたという自負がある竹下に対し、挑戦者の石川はDDT出身ながら現在はフリー。一昨年、初戴冠時の竹下からベルトを奪ったのが石川であり、他団体でも数々の王座を手にしてきた。
輝かしいタイトル歴。全日本では三冠王者に!
195cm、130kgの“進撃の大巨人”は、DDTでKO-D無差別級、KING OF DDTトーナメント優勝。大日本プロレスではストロングヘビー級、デスマッチヘビー級と2部門を制し、シングルリーグ戦「一騎当千」でも優勝している。
とりわけ凄まじかったのが昨年の活躍だ。
老舗の全日本プロレスを主戦場に、伝統のリーグ戦チャンピオン・カーニバルと世界最強タッグ決定リーグ戦をW制覇。三冠統一ヘビー級王者にも輝いた。年末にはプロレス大賞でベストタッグ(パートナーは諏訪魔)に選出され、年明けには世界タッグ王座も獲得。まさに“席巻”と言っていい。
そんな石川が、新たに狙いを定めたのがDDTマットというわけだ。
今年、初開催のリーグ戦「D王グランプリ」で優勝した石川は、竹下への挑戦権を掴むと前哨戦でも圧巻の攻撃力を発揮。一時は竹下が腰の負傷で欠場するほどの激しい闘いを見せている。「竹下とはやってきたこと、獲ってきたタイトルが違うんで」という石川の言葉は“外”のリングを味わい、結果を残してきただけに説得力がある。