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錦織圭と伊藤竜馬、同じ我慢の時。
「生き延びていかないといけない」
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byAFLO
posted2018/03/07 07:00
ロンドン五輪で伊藤(左)は添田(中央)、錦織とともに日本選手団の一員だった。それぞれが今の立ち位置で、もがいて戦っている。
「生き延びていかないといけない」
勢いのままに60位に駆け上がった伊藤だが、我慢の時間がこのところ長引いてしまっている。我慢しきれなくなってラケットを投げるくらい、大目に見てあげてもいいんじゃないか、壊そうと思って投げてはいないのだし――だれにも言わず、心の中で、そうつぶやいた。
錦織も、しばらくは我慢の時間が多くなるだろう。復帰は果たしたが、復調への道は平坦ではない。もちろん彼自身、そのことを覚悟しているはずだ。
「生き延びていかないといけない」
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数カ月前に本人の口から聞いたのが、この言葉だ。
2人とも、我慢強く、そして、できることなら自分との闘いを楽しみながら、復調への道を前に進んでほしい。