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インド出身の21歳、可愛いシャルマ。
ウッズを彷彿させた米ツアー初参戦。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph bySonoko Funakoshi
posted2018/03/06 11:40
世界選手権シリーズ最年少優勝に挑んだシュバンカル・シャルマ。愛嬌のある表情で人気も上がりそうだ。
ゴルフを始めたきっかけは、松山の友人の父。
話は変わるが、米ツアーで戦っているインド人選手のアニルバン・ラヒリをご存知だろうか。松山英樹とも何度か試合で同組となり、同じアジア人ということもあって、2人はすっかり親しくなっている。メジャー大会の練習ラウンドを松山とラヒリが一緒に回ったことも何度かあった。
そのラヒリの父親が「プロゴルファー、シャルマ」を生み出すきっかけを作ったと聞いて、かなりびっくりさせられた。
シャルマの父親はインドの陸軍大佐だった。一方、ラヒリの父親は産婦人科医で陸軍所属の軍医だった。シャルマ大佐とドクター・ラヒリが同じ場所に駐屯していたとき、シャルマ大佐の妻が2人目の子供を出産。生まれたのは当時7歳だったシャルマの妹。取り上げたのはドクター・ラヒリだった。
そのとき、ドクター・ラヒリはシャルマ大佐に「ゴルフというスポーツはすばらしい。ウチの息子はプロゴルファーを目指している」と紹介。それを聞いたシャルマ大佐は、さっそくゴルフクラブを手に入れ、息子とともにゴルフを始めた。
タイガー、マキロイ、ミケルソンに夢中。
シャルマ少年はすぐにゴルフに夢中になり、めきめき腕を上げていった。世界のトッププレーヤーを見る機会は、メジャー大会のテレビ中継。母国での放送は夜中から夜明けにかけての時間帯。「いつもドキドキしながらテレビの前に座っていた」とシャルマは振り返った。
「2008年の全米オープンでタイガー・ウッズが72ホール目のパットを沈めてプレーオフ進出を決めたとき、僕はうれしくてベッドに飛び乗り、ベッドを壊しそうになった」
「2011年の全米オープンでローリー・マキロイの優勝を見たときは興奮した。中継が終わったのが朝6時。僕はそのまま練習場へ走っていって、興奮したまま2時間も球を打ち続けた」
「2013年の全英オープンで優勝したフィル・ミケルソンの13番のショットは今でも忘れられない。彼は本物のレジェンドだ」