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元アイドル“ジャンボ”が全日本に!
有田ひめか、プロレスラーへの道。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2018/01/29 16:30
その高身長と、アイドル時代からつちかったガッツは、プロレスラーに向いているはず。今はとにかく経験を積むのみ!
グループ解散も秋山準の指導を受け選手へ!
全日本とスルスキのコラボレーションは間違いなく成功だった。
“TFP(ツイッター・フォロワー・プロデューサー、もしくはスルスキ・フォロワー・プロデューサーの略)”と呼ばれるファンの熱心さも印象がよかった。ただ、アイドルグループを続けていくのは簡単なことではないのも確かだ。
昨年、後楽園ホール大会が超満員札止めになるなど全日本が勢いづいてきた時期に、スルスキの解散が決まる。後楽園での最後のパフォーマンスでは、秋山と取締役の大森隆男が花束を贈呈した。観客からの紙テープも舞った。選手と同じように。
全日本の選手やスタッフも訪れた解散ライブが終わってしばらくすると、有田がプロレスラーを目指して練習中であることが発表された。
「秋山選手に相談したら“簡単な道ではないけど、やってみたいなら頑張りなさい”と言っていただきました」と有田は振り返る。
観戦に行っていた縁で誘ってくれた団体もあったが、彼女が選んだのは「アクトレスガールズ」だった。以前から全日本に選手を派遣してきた団体だ。プロレス入りにあたって、秋山直々の指導も受けた。
「アイドルのくせに」という批判もあったが……。
アイドルからレスラーへ。
風当たりが強くなかったといえば嘘になる。
プロレスも世間一般から偏見を持たれがちなジャンルなのだが、そのプロレスのファンの中にも、別のジャンルに偏見を持つ者がいるから不思議な話だ。
本人のツイッターやブログを見ると「アイドルのくせに」といった批判をまともに受け止めてしまい、ひどく傷ついているのが分かった。もはやスルースキルなんてないから、力ずくで乗り越えるしかない。