ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
石川遼は“大人の事情”を壊す達人。
選手会長になる前から数々の実績が。
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byYoichi Katsuragawa
posted2018/01/27 08:00
5年ぶりの日本復帰で、ギャラリーも健在。石川遼という存在はゴルフ界にとってやはりとんでもなく大きい。
実は中高生の育成や下部ツアーでは既に実績が。
'11年から3度開催した「石川遼ジュニアゴルフトーナメント」は、「中高生には馴染みがないマッチプレーを経験させたい」という本人の発案から企画がスタートした。
ストロークプレーでの予選ラウンドを突破した選手が、一騎打ちでの戦いをトーナメント形式で争う。2回目以降は海外からも選手を招待し、国別対抗戦も実施した。
出場選手には、現在男女ツアーで活躍する名前もある。ちなみに'13年の試合で予選をトップ通過し、マッチプレーで2位だったタイのダンタイ・ブーマという選手は、先日のSMBCシンガポールオープンを4位でフィニッシュ。16位だった石川よりも好成績を収めている。
石川は'13年には日本ツアー下部、チャレンジトーナメントに参入した。ちょうど石川が主戦場をPGAツアーに移した年だが、日々のティグラウンドとピン位置は本人が決めた。コースのセッティングを選手目線で行ったことから、プレーヤーの間でも「下部ツアーなのに十分な難度がある」と評判は上々だ。
男子の優秀なジュニアを対象に、'16年にはジュニアゴルフミーティングなる“講習会”を実施している。千葉県のゴルフ場で高校生を中心に、一日かけてレッスンを行った。
メディアには完全非公開。技術的な話だけでなく、マネジメント術などを伝授した。また、この年の末には未経験者を対象とした導入イベントも開催し、こちらは競技人口を増やす目的がある。
アマチュア上位者を呼んだ大会の画期的なところは?
画期的だったのが、昨年秋にスタートした「石川遼インビテーショナル ジャパンジュニアマスターズ」。
日本アマチュアランキングの上位者が3会場、54ホールのストロークプレーで競った。この“3会場”というところがこの企画の肝である。
それぞれのコースは男子ツアーの会場(富士桜CC/フジサンケイクラシック、カレドニアンGC/ダイヤモンドカップ、岐阜関CC/日本オープン)であるだけでなく、各ラウンドが実際のツアー大会開催の“前週日曜日”に行われたのだ。