イチ流に触れてBACK NUMBER
イチロー日本復帰説は本当なのか。
「3年前以上の覚悟を持って待つ」
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byKyodo News
posted2018/01/21 07:00
「イチロー杯争奪学童軟式野球大会」の閉会式で、子どもたちを激励するイチロー。その表情は明るい。
「3年前以上の覚悟を持って待つ」
だがここで「ちょっと待って」と警笛を鳴らしたい。
44歳の控え外野手の立場である今のイチローに、この時期に具体的なオファーが届かないことは、彼がFAとなった昨秋の時点で予想できたことだ。言わば、織り込み済みの状況である。その上で更に前へ進まない現実がこのオフにはある。
J・D・マルチネス、ローレンゾ・ケイン、カルロス・ゴンザレスらの大物外野手が依然未契約でFA市場に残っている。マーリンズでイチローと同僚だった26歳のクリスチャン・イエリチもトレードを熱望し、各球団と水面下での交渉は続いている。イチローの交渉状況を問う時期ではないのである。
イチロー自身も昨秋からこのような状況が生まれるのは百も承知だ。周囲にはこんな言葉をもらしていると言う。
「3年前以上の覚悟を持って待つ」
3年前とはマーリンズとの契約が決まった時のこと。契約締結は2015年1月27日だった。それ以上の覚悟となれば、“2月中旬のキャンプインまで待つ覚悟”となるであろう。
代理人との関係を考えればジャイアンツの可能性も。
キャンプインまで残り1カ月。メジャー1本でオファーを待つイチローの意を受けたボッグス代理人は期待を込めて語った。
「我々は『もう一度連絡して欲しい』と言われ続けている。6チームとね」
記事によれば「マリナーズは市場が動いていない」という理由でペンディング状態にあると言う。「もう一度連絡して欲しい」の言葉からもマリナーズが含まれている可能性は高いだろう。それでは残り5球団はどこになるのか。
ボッグス代理人との関係を考えれば、サンフランシスコ・ジャイアンツの可能性は消し去れない。