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香川真司、ドルトムントでの復権。
代表は「選手の問題だけではない」。 

text by

寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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photograph byGetty Images

posted2017/12/19 11:30

香川真司、ドルトムントでの復権。代表は「選手の問題だけではない」。<Number Web> photograph by Getty Images

新監督を迎えて上昇気流に乗ったドルトムントの中心に、香川真司は確かに座りつつある。

ライバルが離脱中、ポジション確保には結果が必要。

 この2つのビッグチャンスでの香川のプレーは最高だったが、90分間継続しての安定感にはまだ課題がある。それでも90分間起用し続けたシュテーガー監督の采配からは、香川への信頼度の片りんを感じた。

 それは、ケルンで見せていた大迫勇也への信頼と似ているかもしれない。大迫が「FWでなければプレーしたくない」と強い意志を見せたときに、シュテーガー監督は「今は1トップの選手が調子がいい。経験を積むためにサイドで起用したい」と説得し、後に2トップの一角に大迫を起用してEL出場権獲得という好成績を残している。

「片りん」とあえて書いたのは、それを正真正銘の信頼にするためには、香川自身がこれからも継続的に結果を残す必要があるからだ。ゲッツェなどライバルたちが負傷離脱中の今、ポジション争いで優位に立つためには、やはり結果がモノを言う。

「選手個々の問題だけではない」という重さ。

 最後に同日の代表戦、日本対韓国の試合についての香川のコメントを記しておこう。

「国内組の選手にもいい選手が多いので、海外組がいたらという問題ではない気がする。チームとしての課題が出ている。この試合に限らず、ヨーロッパ遠征でもそうだった。選手云々じゃなくて、その課題を代表として、チームとして克服していかないと。今は危機感しかないので、このままでは厳しい戦いになるのは間違いない」

 香川は「選手個々の問題だけではない」と語った。

 日本代表でいい時も悪い時も経験している香川だけに、「チームとしての課題」という言葉には実感があったのではないだろうか。

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