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中村航輔と川又堅碁……その次は?
E-1のラストチャンスを掴む方法。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKiichi Matsumoto
posted2017/12/11 11:50
代表の新守護神に名乗りを上げる活躍となったGK中村。ファインセーブも含め、完封で抑えた能力は本物だ。
中村航輔がW杯参加の3人のGKに食い込んだ。
アピールをした選手が、いなかったわけではない。前半から好セーブを連発したGK中村航輔は、既存の序列に影響を及ぼすパフォーマンスを披露した。
W杯に参加する3人のGKのひとりに、この22歳が接近したのは間違いない。
決勝点に絡んだ川又も好印象だ。
4-3-3でも4-2-3-1でも、最前線中央の人選は大迫勇也が軸となる。2番手は岡崎慎司と杉本健勇の争いだが、ゴール前にパワーをもたらすFWとして川又の可能性も探っていきたい。20分強の出場で決定的なヘディングシュートを浴びせ、決勝弾にもからんだ28歳は、攻撃のジョーカーに成り得るかもしれない。
「あと2試合ある」か「もう2試合しかない」か?
国内組がW杯へのアピールに成功した例として、4年前の2013年大会がしばしばクローズアップされる。
初優勝を飾ったチームから森重真人、青山敏弘、山口蛍、柿谷曜一朗、大迫勇也、齋藤学の6人が翌年のブラジルW杯のメンバーに選ばれたのだから、韓国での3試合はチームの強化に大きな意味を持つこととなった。
しかしこのチームも、中国との初戦は3-3のドローだった。60分まで3-1とリードしながら追いつかれたゲームの終了時点では、詰めの甘さばかりが目についた。この時点でW杯のメンバー入りに手ごたえをつかんだ選手は、ひとりもいなかったと言っていい。
ハリルホジッチ監督のもとで最終テストを受けている選手たちは、12日に中国と、16日に韓国と対戦する。
トレーニングはさらに重ねられ、対戦相手の情報の確度は上がっていく。チームとしても個人としても、パフォーマンスを向上させることは可能だ。
逆説的にいえば、目に見える変化を生み出さないとW杯への挑戦は終わりを告げる。
「あと2試合ある」のは事実だが、「もう2試合しかない」とも言えるのだ。